2009.11.25
本日も事業仕分けの話題です。
いつも申し上げているのですが、事業仕分けの取り組み自体は、
予算の議論の過程を透明化するという観点で、いいことですね。
また、天下りを受け入れている団体の余剰積立金を国庫に返納すること、
外務省が提示していた海外首脳の宿泊費を1泊100万円としていたものを削減すること、
など、今まで自民党政権では、
政治がノーチェックであった行政コストについて、
無駄を発見し、削減に向けた道をひらいたことも意味があります。
しかし、やり方や事業選定に少し問題があります。
なぜ数千もある事業の中から、これらの事業が選定されたのか、その基準が明確でない点。
財務省主導で、全く政治主導と言えない点は大きな問題です。
また、この後半戦になって、特に気になるのは、
「コスト」と「投資」の違いです。
この違いをしっかり認識せずに削減削減とやってしまったら、とんでもないことになります。
つまり、「コスト」については、無駄を徹底的に発見し、徹底的に削減すればいい。
しかし、我が国が発展していくために、費用対効果が即座に見えにくい「投資」については、
これは、政策目的をよくよく考えて対応する必要があると思います。
科学技術が典型でしたね。
ノーベル化学賞受賞者の野依良治氏は、
「科学技術振興や教育はコストではなく投資。
コストと投資を一緒くたに仕分けするのはあまりに見識を欠く」
と強調していました。
また、まさに日本の未来への投資と言える教育についても、
小学校英語の必修化に備える「英語教育改革総合プラン」の廃止を求め、
全国連合小学校長会の向山行雄会長は、
「各校に大きな痛手となり、教育格差拡大につながりかねない」
と批判した意見書を文部科学省に提出しています。
あと、費用対効果が見えにくいものとして、
温暖化防止の国民運動を支援する環境省事業も「廃止」と判定されました。
・学校や企業などで二酸化炭素(CO2)の排出を抑えるための啓発活動
・ 地域の取り組みの全国への発信の支援
を「費用対効果が不透明」という理由で「廃止」と結論づけました。
確かに大手広告代理店への広告費の割合が多いというところは、
しっかりコスト削減をしたらいいと思うのですが、
国民運動というもの自体が効果が見えにくい中、
しかし、効果を明確にとすると、啓発活動みたいな予算は一切とれなくなる。
先日のブログでも書きましたが、
これから財政危機の中で、大切なのは、
国民一人ひとりの意識改革なのです。
一人ひとりの行動なのです。
それに火をつけるためになんらかの「きっかけ」が必要です。
いずれにしても、コストと投資の違い、これを明確にしていかなければなりません。