2010.03.19
おはようございます。すずき英敬です。
最近朝に辻立ちをしていても暖かいので、
とてもすがすがしい気持ちです。
しかし、ときどき風が強いので、結構困ります(涙)。
さて、もうニュースでもガンガン流れているので、
もう皆様もご存じだと思いますし、
今日このことについてブログ書くひとも多いでしょうが、
私も書きたいと思います。
カタール・ドーハで開催中のワシントン条約締約国会議で、
大西洋・地中海産クロマグロの国際商業取引を原則禁止するモナコ提案について協議し、
採決の結果、反対多数で同提案は否決されました。
日本が反対していたクロマグロの禁輸措置はひとまず回避されたことになります。
採決は、投票国の3分の2以上が賛成すれば可決されることになっていますが、
投票国のうち賛成は20カ国、68カ国が反対、30カ国が棄権でした。
本件に関する私の思うところを3つ。
まず、今後の危機への対応に今から備えておく必要がある、ということ。
つまり、今回は否決されましたが、また今後も同様の騒動がありえます。
政治としては、国民の皆様の食文化を守ることはもちろんのこと、
食料安全保障という観点で、しっかり食料を確保するということが大切です。
将来的に禁輸になってからでは遅いので、
禁輸になっても食料としてのマグロを確保できる方策に手をうつ必要があります。
現在、近畿大学では、世界で唯一、マグロの「完全養殖」をできる技術があります。
普通クロマグロは、「畜養」と呼ばれて、
小さい稚魚をイケスの中で育てて、輸出する方式が取られていますが、
「完全養殖」とは、卵からふ化させ、生育させる手法です。
したがって、最初に卵を確保すれば、あとはどこかから漁をしてくることなく、
マグロを育て、卵を産ませ、そこからまたマグロを育て、また卵を産ませ、
という具合に「循環」ができ、完全に「自給自足」が可能になります。
今のうちに、この技術で、日本人の食料を確保できるレベルにまで生産できるよう、
政治は、技術開発などの支援や、漁業者の方々の取り組み支援を行うべきと思います。
日本の海ならどこでもマグロの完全養殖ができるくらいになるといいと思います。
白子の海ではできないんかなあ(笑)。
しかも、この技術は世界で唯一だそうですので、
世界に売っていけば、乱獲を抑えることもでき、環境にもいいと思います。
次に、禁輸の前に、監視体制の整備が必要です。
漁獲割当、つまり国ごとに獲っていい量というのが決められているにもかかわらず、
それを守らない国がたくさんあったり、
先程ご紹介した「畜養」というグレーゾーンがあったりするので、
まずは、いきなり禁輸という大胆な措置に出るまえに
各国で決めた漁獲割当を守る監視体制の整備と、
守らなかった国への罰則の強化を行うことが先決だと思います。
そして、クロマグロが「危機的状況」という科学的根拠をしっかり示す必要があります。
地球温暖化の問題のときもそうでした。
最初は科学的根拠が薄いと言っていたので、
みんな半信半疑で取組がいまいちでしたが、
IPCCという科学者や専門家の会合をつくり、
そこで、しっかり科学的根拠についてつめはじめたことがきっかけで、
本件に対する信用が増し、各国が真剣に取り組むようになりました。
したがって、本件も、本当にちゃんと取り組むなら、
科学的根拠を、客観的にちゃんと示して、議論するべきです。
感情的な議論で、食料という人間の生命にかかわる問題を決めてはいけません。
いずれにしても、政治でやることはたくさんあります。
単にその場の交渉だけを対応するのではなく、
日本という資源のない国、
食料は輸入に頼らざるを得ない国として、
長期的な食料安全保障の観点からの
様々な対応をしていかなければなりません。