2010.08.03
おはようございます。すずき英敬です。
さて、連日報道されています、
大阪市で起きた幼い2人の遺体が見つかった事件ですが、
大変痛ましい事件です。
今回の事件では様々な問題がありますが、
制度設計の問題点について少し書きたいと思います。
既に報道されていますとおり、
今回、児童相談所「大阪市こども相談センター」に対して、
3~5月に3回、匿名の女性から「子供の泣き声がする」と通報があり、
職員はこの間に計5回家庭訪問しても、
結局1度も母親や子どもに接触できなかったそうです。
もともと児童虐待防止法では、
虐待のおそれがあると認められるとき、
保護者の同意がなければ立ち入り調査をすることはできませんでしたが、
超党派の議員立法で、児童虐待防止法が改正され、
平成20年4月から
保護者が調査を拒否した場合、
虐待を受けているおそれがある子どもの安全確認、身柄確保のため、
裁判所の許可状を得て児童相談所が強制的に立ち入ることができるようになりました。
しかし、実際は、この制度が利用されたのは、
平成20年は2件、平成21年は1件。
約4万件の相談がある中で、たったこれだけです。
その他、都道府県知事による保護者に対する出頭要求の制度などもあります。
しかし、全く使われていません。
制度があっても、それが使われず運用されない。
確かに立ち入りして虐待の事実がない場合、
不服申し立てとかされるのが行政としては怖いのでしょう。
そのリスクをとれない。
であれば、それは政治家が取るしかなく、
立ち入り権限を児童相談所所長という行政の職員ではなく、
市町村長や都道府県知事に変えるべきです。
そのような不服申し立てをされた場合のリスクを、
所長個人で負うのではなく、自治体全体としてとれるようにすると
所長も立ち入りを判断しやすいのではないかと思います。
命が奪われてからでは遅い。
明らかに今制度がありながら、その制度が使われていないというのは、
私も制度作っていた側にいましたからよくわかりますが、
それは制度設計に問題があるわけなので、
もう二度とこういうことが起きないように、
今折角国会を開いているのですから、
前回のように超党派で改正の議員立法を提出するべきです。
行政では人権ぎりぎりのところの立法はできないです。
これは政治の仕事です。
予算委員会で悪口の言い合いをしている場合ではありません。
今こそ本当に命を守る政治をするべきだと思います。